広島には、歴史的な建築物から世界的に評価される現代建築まで、さまざまな名建築があります。特に、戦後復興の象徴となった建物や、瀬戸内海の風景と調和する建築物は、広島ならではの見どころです。
この記事では、広島式の建築をテーマに、建築家のこだわりや歴史的背景にも注目しながら、広島県を代表する5つの建築物をご紹介します。
広島式の建築とは?
広島式の建築とは、決まった建築様式の名称ではなく、広島の歴史や地域文化、自然環境を反映した建築を捉えるための表現です。
広島には、原爆の被害を伝える歴史的建造物、戦後復興を象徴する近代建築、瀬戸内海の景観と調和する現代建築などがあります。
建築家によってデザインや建築技法は異なりますが、地域の歴史や文化と深く結びついていることが特徴です。
広島を代表する名建築5選
広島を代表する建築物には、世界遺産の原爆ドームをはじめ、世界平和記念聖堂、広島平和記念資料館、音戸市民センター、広島城などがあります。
世界平和記念聖堂
世界平和記念聖堂は、広島市中区にあるカトリック教会で、戦後復興を象徴する名建築のひとつです。
建築家の村野藤吾によって設計され、1954年に完成しました。原爆犠牲者の追悼と世界平和への祈りを込めて建てられた聖堂で、2006年には国の重要文化財に指定されています。
鉄筋コンクリート造の建物には、レンガを用いた重厚な外観や、美しいステンドグラスなどの見どころがあります。西洋の教会建築と日本的な美意識が調和したデザインも特徴です。
建築好きはもちろん、広島の復興の歴史に関心がある人にもおすすめの場所です。
所在地:広島県広島市中区幟町4-42
原爆ドーム
原爆ドームは、広島市中区にある世界遺産で、被爆の歴史を現在に伝える重要な建造物です。
1915年に広島県物産陳列館として完成した建物で、設計を手がけたのはチェコ出身の建築家ヤン・レツルです。
ヨーロッパの建築様式を取り入れた外観が特徴で、建物の中央には特徴的なドームが設けられています。
1945年8月6日の原子爆弾投下によって大きな被害を受けましたが、建物の一部が残されました。その後、保存活動が進められ、1996年にユネスコの世界遺産に登録されています。
さらに2025年には、国の特別史跡にも指定されました。
原爆ドームは、建築の歴史と平和の大切さを同時に学べる場所です。

所在地:広島県広島市中区大手町1-10
広島平和記念資料館
広島平和記念資料館の本館は、日本を代表する建築家・丹下健三によって設計された近代建築です。
1955年に完成した建物で、装飾を抑えたシンプルなデザインと、柱によって建物を持ち上げた「ピロティ」と呼ばれる構造が特徴です。
建物の下を通り抜けられる開放的な空間は、平和記念公園の景観と一体化するように設計されています。
2006年には、戦後建築として初めて国の重要文化財に指定された建築物のひとつとなりました。
館内では被爆の実相を伝える資料が展示されており、建築と歴史の両面から広島を知ることができます。

所在地:広島県広島市中区中島町1-2
広島城
広島城は、戦国時代の終わりに毛利輝元によって築かれた城で、広島の歴史を象徴する建築物です。
1589年に築城が始まり、江戸時代には広島藩の政治の中心として機能しました。
1945年の原子爆弾投下によって天守は倒壊しましたが、1958年に鉄筋コンクリート造で外観が復元されました。
復元された天守は、歴史的な姿を再現しながら、戦後の建築技術によって建設された点が特徴です。
なお、天守は老朽化や耐震性の問題から、2026年3月22日をもって閉城しました。現在は内部を見学できませんが、城跡や外観からその歴史を感じることができます。

所在地:広島県広島市中区基町21-1
呉市音戸市民センター
呉市音戸市民センターは、建築家・隈研吾が率いる設計事務所によって設計された、広島県呉市の公共施設です。
図書館や公民館、多目的ホールなどを備え、地域住民の交流拠点として利用されています。
建物の特徴は、周辺の街並みや瀬戸内海の風景と調和する大きな屋根です。伝統的な瓦を活用したデザインや、自然光を取り入れる木製ルーバーなど、地域の建築文化を現代的に表現しています。
建物内の階段やテラスからは、音戸の瀬戸を行き交う船を眺めることもできます。
歴史的な景観と現代建築を融合させた、広島ならではの建築物です。
所在地:広島県呉市音戸町南隠渡1-7-1
広島の建築巡りを楽しむポイント
広島の建築巡りでは、建物の外観だけでなく、設計者の意図や歴史的背景に注目すると、より深く楽しめます。
例えば、世界平和記念聖堂と広島平和記念資料館は、どちらも戦後復興期に建設されましたが、建築様式や設計思想は大きく異なります。
一方、呉市音戸市民センターでは、地域の伝統的な景観を現代建築に取り入れる工夫が見られます。
広島市中心部にある原爆ドーム、広島平和記念資料館、世界平和記念聖堂、広島城は、公共交通機関を利用して巡ることもできます。
呉市音戸市民センターは広島市中心部から離れているため、別の日に訪れると余裕を持って見学できます。
